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こんにちは、長井です。
前回の「汚泥減容」に引き続き、汚泥減容に関する実験についてご紹介します。
排水を生物処理すると汚泥が発生し、弊社の微生物を使用するとその汚泥発生量が少量になることは、前回ご紹介させていただきました。
しかし、そこで疑問になるのは、「減少した汚泥はどこに消えたのか」ということです。
そこにあった物質がパッと消えることはありません。何か別のものとしてどこかへ移動するのです。
排水中で微生物が分解できる汚濁物質は主に有機物です。微生物が有機物を分解すると、最終的には、二酸化炭素、水、アンモニア、硝酸塩、リン酸などの無機物になります。二酸化炭素やアンモニアは気体として気中に逃げていきます。また、水も汚泥とはなりません。よって、汚泥は分解され、違う形で排水中から出ていくため、汚泥が減少するのです。
先日、それを確かめようと実験してみました。
実験では、前回の製油工場の排水を用い、微生物処理前と処理後の気中の二酸化炭素濃度を測定しました。
結果は、微生物処理後の方が気中の二酸化炭素濃度は著しく増加していました。確認のために排水中の全有機炭素(TOC)濃度も測定したのですが、こちらは処理前に比べ、処理後の方が減少していました。このことから、排水中の有機物が微生物により二酸化炭素などの他の物質に分解されて、排水中から出ていくために、汚泥として残らず、結果的に汚泥減容につながることが明らかとなりました。
こんにちは、長井です。
弊社では微生物とBio-RESEシステムを使うことによって汚泥の発生量が減少するとご紹介させていただいております。そこで今回は汚泥減容についてお話ししたいと思います。
ある製油工場でBio-RESEシステム導入の現地テストを行っていました。
現地テスト中、排水を処理しても、ほとんど汚泥が発生せず、汚泥を引き抜くことはありませんでした。
従来の活性汚泥処理では、BOD(生物学的酸素要求量)を減少させると、その代わりに汚泥として転換されます。よって、排水を処理する度に汚泥が蓄積し、系外へ引き抜く必要が出てきます。一般的にBODの汚泥への転換率は50%程度となっています。
しかし、現地テストでは汚泥の発生量はきわめて少なかったため、データをもとにBODの汚泥への転換率を求めると、約3%と非常に小さい値となりました。
一般的な転換率と比べても、あまりにも小さい数値だったため、最初は計算間違いじゃないかと思い、何度か確かめてみましたが、本当でした。排水中に含まれる基質にあった微生物を用いればここまで浄化できるのだということを実感しました。
はじめまして、大阪生物環境科学研究所の長井と申します。
入社してまもなく1年が経過しようとしていますが、排水処理に関しては初心者ということで、勉強の日々を過ごしています。
主な業務として、研究室内で微生物処理を行った試料の分析や、クライアント企業様へのメンテナンス訪問を行っております。
実験をしていて、いつも微生物には驚かされます。依頼された排水に微生物を導入して処理させるだけで(微生物にとって好条件下ですが)、汚染度が低下していくことや、塩分濃度が高かったり、工業製品の排水など生物が生存しにくいであろう排水にも、良い微生物が開発できれば処理を行ってくれるということです。微生物の開発にはまだ携わっていませんが、微生物処理は広い範囲で可能なのだと感じています。
クライアント企業様へのメンテナンス訪問では、排水処理の管理をされている現場担当者様は長年に渡って管理していらっしゃるため、一般的な排水処理に関して教えていただくこともあり、勉強不足ということを痛感しております。このような方とも対等にお話が出来るように努めていきたいと思います。
今後は、現在取り組んでいる排水の紹介などをご紹介していこうと考えております。