アーカイブ:2012年11月

活性汚泥法

1862年イギリスのロイドが汚水に空気を吹き込んで実験したことから始まる。現在も排水処理の主流として、下水道処理場などはこの方法で行われており、140年の歴史がある。

(活性汚泥法の例)

汚水負荷を100とすると、曝気(空気を入れること)によって汚水中に元から存在する微生物の作用で約70となり、放流水が3、汚泥は67となる。

大量の汚泥が出ることが特徴で、その処理費が大である。

オーダーメイド微生物浄化法(バイオレメディエーション)

活性汚泥法の微生物の分解力を強化した方法で、この分解力の優れた微生物を開発して現物に導入し、汚水中の有機物を分解させ、汚泥の大幅削減を可能にする技術を言う。

(一例)

(株)大阪生物環境科学研究所は、この微生物を汚水に合わせてオーダーメイドで開発する技術を持っており、国内はもとより国外でも実践している会社である。汚濁物を微生物が分解してCO2とH2Oにしていくので環境への負荷は軽減され、地球環境の修復に多大な貢献が可能となる。NHKでの放映や新聞にも多く取り上げられ、その技術は注目を浴びている。

排水処理講習

こんにちは、長井です。

先日、排水処理セミナーに参加してきました。私は経験が浅いので、一般的な排水処理に関しては知識がなく、通常どのような排水処理が行われているのか学ぶためです。

講習は主に、事業所で新しく排水処理担当になる方をターゲットにしていたため、基本的な化学の基礎から始まり、初心者でも入りやすくなっていました。私は久しぶりに大学のような講義を受けたので懐かしく講義を受けました。

排水処理方法は簡単に言うと、排水中の汚れを①分解する、②分離して汚れを取り除く、という方法により放流水を得ることになります。そこで、この分解または分離方法で様々な手法があることを知りました。

弊社は排水にあった微生物で分解するという生物処理について取り組んでいますが、その他にも凝集剤の使用や、加圧浮上などの物理的、化学的処理という手法もあります。詳しい内容は主に物理的、化学的処理法についてが多く、参加者からの実際の質問も化学的処理法についてがほとんどでした。

私は多くの事業所では生物処理である活性汚泥法で処理が行われていると思っていましたが、意外にも物理的、化学的処理が多いのだと驚きました。

生物処理は微生物に分解させるため、手間はかかりませんが、工業製品や化学製品を生産している事業所排水に対し、一般的には微生物では分解しづらいから、普及していないのだと思いました。

しかし、弊社は化学工場排水(高塩分濃度)の処理実績があり、微生物が活動しにくい排水でも微生物を開発することで処理が可能になると考えております。弊社の技術では一般的に難しい排水でも微生物で処理できるので広めていきたいと思います。特に高塩分濃度水には6~7%での排水処理の実績を持っています。

バルキングについて

こんにちは、長井です。

メンテナンス訪問で排水処理場を伺うと、何度か沈殿槽に浮遊物が浮いていることに遭遇したことがあります。そこで、今回は沈殿槽で起こる問題について、ご紹介しようと思います。

現在、生物処理であり、最も普及しているのは活性汚泥法です。活性汚泥法は分解微生物を含む汚泥を曝気槽に入れ、好気的条件にすることで、排水を活性汚泥微生物活性により処理します。その後、沈殿槽で汚泥が沈降し、上澄水を放流するという方式です。

しかし、この活性汚泥法には1つ問題があります。それはバルキング現象です。バルキングとは沈殿槽で沈降し、圧密されるはずの汚泥が沈降せず、汚泥と上澄水が上手く分離できなくなる現象です。汚泥が分離できないため、汚泥が溢れ出してしまい(キャリーオーバー)、結果的に処理水の水質を悪化させてしまいます。

このバルキングの原因にはまず、糸状菌の異常増殖によるものがあります。このことについてご説明しようと思います

糸状菌は顕微鏡写真でも見えるように糸状の菌糸を伸ばします。糸状菌は増殖すると、汚泥と絡み合い、浮遊物になります。よって、汚泥は沈降も圧密もせず、上澄水と分離できなくなるということです。糸状菌増殖の原因は排水原水の栄養不足、投入BODの過負荷、曝気槽の溶存酸素(DO)不足、生物活動を阻害する薬剤の流入などが考えられます。

弊社のメンテナンスでは、バルキングなど排水処理で問題が起きた場合、迅速に対応し、原因追及、問題解決に取り組みます。上記のバルキングなど、排水処理で問題でお悩みの方は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

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