スタッフブログ

はじめまして

はじめまして、大阪生物環境科学研究所の長井と申します。
入社してまもなく1年が経過しようとしていますが、排水処理に関しては初心者ということで、勉強の日々を過ごしています。

主な業務として、研究室内で微生物処理を行った試料の分析や、クライアント企業様へのメンテナンス訪問を行っております。

実験をしていて、いつも微生物には驚かされます。依頼された排水に微生物を導入して処理させるだけで(微生物にとって好条件下ですが)、汚染度が低下していくことや、塩分濃度が高かったり、工業製品の排水など生物が生存しにくいであろう排水にも、良い微生物が開発できれば処理を行ってくれるということです。微生物の開発にはまだ携わっていませんが、微生物処理は広い範囲で可能なのだと感じています。

クライアント企業様へのメンテナンス訪問では、排水処理の管理をされている現場担当者様は長年に渡って管理していらっしゃるため、一般的な排水処理に関して教えていただくこともあり、勉強不足ということを痛感しております。このような方とも対等にお話が出来るように努めていきたいと思います。

今後は、現在取り組んでいる排水の紹介などをご紹介していこうと考えております。

工場の排水処理は100年前にイギリスで発祥した活性汚泥法が主流です。この方法は、排水の種類を問わず、排水をためた水槽に空気を送ってバッキをし、上澄み液と汚泥層に分離させて、上澄み液を放流させる方法ですが、以下のような問題点があります。

① 大量の汚泥が発生するため、薬品代など高額の処理費用がかかる

② 工場排水は常時変動し、汚泥を分離させるタイミングがあるので常時担当者が必要

③ 高濃度処理(BOD2000以上)は困難。加圧浮上装置など別途附属設備を必要とし、付設に経費がかかる。

一方、当社は、排水中の成分を特によく分解できる微生物を専門家がオーダーメイド開発し、排水浄化に活用する方法を提案しています。他者に先駆けたこのオーダーメイド微生物処理法は、その浄化能力、経済性、地球環境に貢献できるなど多くの特徴を持ち、19年の実績があります。

具体的に、オーダーメイド微生物処理法では、前述の活性汚泥法の問題点を次のように解決できます。

① 排水中の成分を微生物が分解するので、大幅な汚泥削減となる。それに伴い、汚泥処理費用も大幅に削減できる。

② 排水中の成分が微生物の食糧となるので、成分濃度等の多少の変動には自動的に対応することができる。よって、常時担当者は必要なくなり、作業効率が良くなる。
③ 高濃度排水に対応できる。

製油工場のn-Hex値11000が7に、 梅工場の高BOD値85000が72に、また高塩濃度の化学工場(EP樹脂工場)では、8%の塩分濃度で活躍できる微生物を開発し、導入することによってCOD値8204が135になり浄化に成功したという実績があります。

この技術によって、加圧浮上装置が不要となり、排水処理施設費用の大幅削減が達成できました。

またメンテナンス時の薬品使用量も激減し、排水処理経費の大幅削減につながります。

今回は、弊社導入実績にもご紹介させていただいております、マレーシアみりん製造工場についてご紹介いたします。

2000年4月マレーシアにある日系みりん製造工場がでんぷん排水の浄化技術を募集していることを知りました、そこで、当社で推奨している「オーダーメイド微生物浄化法=BIO-RESEシステム」を提案させていただきました。

先方は、みりんの製造工程で微生物を使用することから、微生物がいかに排水に有効であるかを理解してくださいました。その結果、大手水処理会社からの提案があったにもかかわらず、弊社のBIO-RESEシステムを導入してくださったのでした。

処理前の現場の水は、BOD 1600、COD 2100 SS 2100 その上、生デンプンの腐敗臭が強烈な状況にあったのです。ご存じのように生デンプン(βデンプン)は分解が難しいとされています。しかし弊社はその課題をクリアすることが出来ました。

オーダーメイド微生物導入後は、BOD 20、COD 9、SS 27と、それぞれの浄化率が 98パーセント以上という、理想的な数値が出すことができました。また、汚泥の発生が極端に減少した。(-92.5%)ことにより臭気問題も解決致しました。

結果があまりにも良好な為、マレーシア工科大学の研究課題となり徹底的な調査が行れ、その結果、この数値の正当性が証明され、当社の技術力が高く評価されたのでした。

現在、この工場では2期工事も完了し、排水施設は、全て弊社が担当しております。また、年に2回現地視察に行くのみで、先方は排水施設専門の担当者を配置する必要がありません。

昨年には、タイに工場を新設することとなり、当社の浄化法が再び採用されました。現在、マレーシア・タイどちらの工場も稼動継続しております。

※BIO-RESEシステムとは、個々の排水の分解に最も適した微生物を開発⇒導入することで、高い浄化率を保ったままで、なお且つ、汚泥の発生を極度に減少可能にする技術です。

これにより、汚泥引取り料,薬品料、人件費など従来の活性汚泥法で必要となっていたコストの大幅な削減が可能になります。

導入に当たっての詳しい説明は、下記のページをご覧下さいませ。
クリック⇒https://water-treatment.jp/service/step.html

曝気槽(ばっきそう)とは、排水処理において、排水中に圧搾空気を散気管やエアレータ等により微細な気泡として吹き込む水槽のことで、微生物の生物化学的酸化反応を促し、水中に含まれる汚濁物質を後の沈殿槽で沈殿させるための槽(タンク)です。

活性汚泥法では、微生物が含まれて排水処理に適当な状態になっている汚泥(=活性汚泥という)を用いて、処理を行うやり方です。

微生物による排水処理技術である、BIO-RESEシステムでは、オーダーメイド方式で現場の排水にあった微生物を開発使用することで活性汚泥を基本使用せず、微生物に働いてもらう所が大きく異なります。

その方法は活性汚泥法で使用している曝気槽(ばっきそう)を利用してその上部等に、バイオリアクター(汚濁分解に適した有効な微生物の棲み家)を付加することにより行います。

このやり方は排水中の汚濁物質をよく酸化分解することにより、従来の活性汚泥法に比較して汚泥減容において約5倍~18倍と浄化効率をあげることが可能になります。

活性汚泥法に比べ、汚泥の管理費用や廃棄費用など、汚泥処理にかかる費用を大幅に削減できることが、大きな特徴です。

BIO-RESEシステムの詳しい説明はこちら

加圧浮上装置

【加圧浮上装置】

加圧浮上装置では、高圧をかけることで水に空気を溶かし、原水と混合させることにより、浮上槽

において大気圧に減圧される際に微細な泡を発生させます。この微細な泡が、汚水中の浮遊物質に付着

させ強制浮上させる装置です。また、分離する槽のことを加圧浮上槽と言います。

油分を含む排水の場合、凝集剤と併用して使用することが多く、従来の活性汚泥法では、薬品代、装置

のメンテナンス費用などが排水処理経費として必要でした。

大阪生物環境科学研究所のBIO-RESEシステム-微生物による排水処理技術-を利用することで、油分を含

む排水であっても、加圧浮上装置・凝集剤を使用することなく排水を処理できますの

で、従来の活性汚泥法に比べ、必要経費を大幅に削減することが可能です。

詳しくは、こちらのページをご覧下さい。BIO-RESEシステムのコストパフォーマンス

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